階段は

降りるときと

登るときでは

段数が違う

 

降りるときは少なくて

登るときは多い

 

数えてみると同じなのに

 

その時々の

気分で変わるけれど

階段は

降りるのは楽

登るのは案外慎重

だったりする

 

けがをしやすいのは

降りるとき

 

楽だと油断する

 

そういえば

昔、母に言われたっけ

「下、見て歩くな。上、見て歩け」

 

反発して、

「それって、世間で言われているのと

反対じゃない？」とたずねたら

 

大笑いして

「おまえは、まだまだ、

人生というものがわかっていない」

と言われた

 

「上見て歩くと

石ころにけつまずいてけがをする。

その足を引きずってでも、前へ進む覚悟。

それが分かるようにならないと、

一人前とは言えんなあ」

 

今になって、その言葉が、ずしっとくる