雨の雫

雨の雫に見惚れることがある

雨の雫には嘘がないから

雨の雫には偽りがないから

いくつも、いくつも、雨の雫

教えておくれ

どうして人間は

争ったり

嘘を言ったり

お金や名誉に取り憑かれたり

自分が一番だなんて威張ってみたり

するのだろう

雨の雫のように

自然の摂理の中で

なんの無理もせず

ただ降り落ちて流れてゆくだけなら

もう少し楽に生きられるのに

人間はね

生きる意味を探しながら

生きている

自分で望んで

生を受けたわけではないからね

生老病死、

人間の煩悩なんて

君から見れば

取るに足らないことかもしれないね

それでも

人間は愚かしい存在だなんて

言わないでおくれよ

君と同じように

精一杯、生きているのだから

雨の雫に見惚れていると

いくつも、いくつもが

銀色の雨に変わっていった

一生懸命、生きているのだね