風を感じて
突然の生ぬるい横風が
髪を揺らした
エアコンの室外機の前を
通った時のように
不愉快な気分が漂う
少し湿り気のある空気は
息を少しこらえても
皮膚が受け止めている
ふしだらな横風を遮るのは
機転の利く感情の転換
晩夏の昼下がりの
おどけた日常
突然とはいえ
予測不可能なはずはなく
いたずら好きの世情に
頬をつねられただけ
風を味方につければ
たわいもない午後の
ワンシーン
速度を変えず
歩幅を変えず
歩いている
風を感じて
歩き続けている